青木マリduo+(ゲスト:柴田奈穂)2016.2.26

2018年5月6日日曜日

京都、愛知、東京、15年?ぶりのライブツアー旅日記です。

新緑の美しい季節ですね、どこかにお出かけですか?
私は、4/27~29に産後初めての連泊の歌旅にチャレンジしてきました。
若い頃はギターと売り物のCDを持って何日間か掛けて移動しながら歌ういわゆる「ツアー」をしていて、はじめての場所、はじめましてからはじめて見知らぬ人たちの前で歌い、飲んで語って、いくらかのお金をいただいて次の土地へ、やがてはじめましてがお久しぶりに変わったり、そんなふうに歌っていたものでした。

こどもが生まれてからは流石にひとりで泊りがけで出ることが出来ず、近場のライブのみを少しづつおこなってCDをたまに発表しながら歌を続けていました。心の奥で、いつかまた歌の旅に出たいと思いながら。続けてればそんな日も来るだろうと。
時は流れて子どもたちもずいぶん大きくなって、スモールステップで直行直帰大阪ライブを3年前にやって、ポツンポツンと単発遠征には行くようになってきていました。
大阪や滋賀には行ったので次は京都かなと思っていて、20年ほど前にはじめての京都でご一緒していただいたふちがみとふなとの渕上さんに相談してみたのです。去年の暮れ頃のことでしたが、とても精力的に、尚且きちんと活動しているふちがみさん、無理をきいていただいて少し先の4月に予定をきめました。

そうこうするうち上の息子ももう中学3年。わたしより背も高くなって急にしっかりしてきたみたい。小6の娘が家の中のことをよく見張ってわたしが留守のときは小さいお母さんのように振る舞うようになったらしい。
もう、だいじょうぶかも。
そんな気がして、今回は連泊ツアーにしようと京都の翌日に春日井カフェ花音の泰三くんに連絡、ここも縁あって前から一度は訪れたいとずっと思っていた場所でした。
その二日間を決めただけでもチャレンジだったのに、2月終わり頃になってAPIA40レイクさんより4/29ミチロウさんと対バンでいかがでしょうかと連絡が。
少し前だったら出来ない、ってお断りしていたと思うんだけど、最近の子どもの成長ぶりから思い切ってお引き受けすることにしました。自分ももうそんなに若くは無いし、その時その時の「ご縁」を大切にしないと後悔するようになる、そんな思いもありました。

関西へ行くときは新幹線「ぷらっとこだま」を使います。
のんびり車窓を眺めます。


まずは4/27京都拾得。半島南北首脳の握手のニュースを気にしつつ出発。

十数年ぶりくらいで訪れた拾得は周囲の景色も殆ど変わりなく、中に入って「ああ、あの時と同じだわ」とタイムスリップしたようでした。元々歴史ある建物の老舗なので、十年二十年はたいしたことじゃないんだなあ。時間の流れ方はひとつじゃないですね。

寒山拾得の「拾得」なのです。
変わらぬ看板。



優しさと緊張感あふれる完成度の高いふちがみとふなとの世界の後に、わたしの歌。
ちょっとプレッシャーもあったけれど、激励と思ってこの順番を引き受けました。また、渕上さんからの提案で全体の最後にわたしの「うた」というナンバーにふちがみとふなとのおふたりが加わって、すごく大きく多様な世界の景色がみえるような感覚に。素敵な青空のチラシも嬉しくて、何から何までお世話になりました。ほんとにありがとうございます。


拾得の前の通りで夕焼け。
ふちがみとふなとの緊張感あふれる
ミニマムなステージはシャッターを押すのも
野暮な気がしてステージ写真は無しです。

ご来場のお客様も、20年ぶりくらいの方もいらしてビックリ。でも会えばひと目でわかるものですね。ご来場の皆様、誠にありがとうございました!
自分的にはまた新しく京都でのスタートをきれた感覚です。
ここから少しずつ、初めて行きたいなと思ってます。

夜はふちふな宅にお泊り。浅草のお笑いの録画を観て笑い、ふなとさんといろいろ語り。
翌日は三人それぞれ別のライブがあってそれじゃあまたねとお別れ。もう今日の音楽にシフトチェンジです。
在来線で名古屋方面、春日井高蔵寺へ。
京都から米原、大垣あたりの景色はなだらかな里山、水を湛え田植えを待つ水田が広がってのどか、山の緑が目に楽しい。
都会の名古屋から少し離れた高蔵寺の駅から直角の一本道、乾いた車の道をスーツケースと楽器背負ってトコトコ。遠くに花音の看板が見えてきてホッとする。

高蔵寺駅前、がらんと静かです。


道端にシランが勝手に咲き誇ってます。 

古い民家のままの造り、瓦屋根に白い壁、大きなガラス窓。とってもいい雰囲気。ガラス戸の入り口の向こうに小さな女の子がひとり遊んでる。店主泰三くんの娘さんかな?




「こんにちは!よろしくおねがいします。」
ドアを開けると髭モジャ眼鏡になってるけど懐かしい泰三くんが出迎えてくれました。
わたしがずっと使ってるグレッチギターの持ち主のバンド仲間で、大阪ではずいぶんお世話になった泰三くんの店にやっと来ることが出来ました。
一休みしてサウンドチェック。木造のがらんとした空間で響きが優しい。いいね。楽しくなりそう。

窓が大きく昼間は明るい店内

程なく競演の本村ナオミさんが到着。機材をたくさん使ってギターのサウンドワークのsolo。初対面でしたがとても気さくな方で緊張も解けます。

名古屋、東濃あたりは家人の出身地でもあり、ご縁が深く、大切な友人がたくさんいる。
この日も会いたかった人が何人も来てくれて嬉しかった。はじめての店なのではじめての方もたくさん。ありがたいことです。
本村さんの演奏を楽屋袖から聴く。緻密で美しくて、でもおおらかさのあるビート。とても素敵。本番前にいい感じの緊張感とリラックス。

集中力の高い本村さんのステージ。
楽屋入り口から覗き見。


わたしも、すごく集中できて会場の皆さんと一緒に気持ちのやり取り、高揚、緊張と開放、良いライブが出来たのではと思っています。
花音という空間と、お客様に感謝です。ありがとうございます!
家人の十代の頃からの仲間である映像作家の森零監督がライブを撮影してくれました。
こちらからご覧になれます。
https://www.youtube.com/channel/UCfZ5II62-0alsei3fSy92Mw

花音はツアーミュージシャンが宿泊もできるありがたいハコだけど、せっかくなのでお宿は恵那の山間に住む友人の新居にお世話になりました。
積もる話をたくさんして、朝ごはんと朝風呂をごちそうになって、ウグイスやホトトギスの声が響く山の空気を吸ってすっかりリフレッシュ。夜中から午前中だけの滞在だったけど行けて良かった。義理の兄やんも駅まで送りに来てくれて嬉しかった。
わたしが歌を歌ってなかったら出会わなかった人たち。遠く離れていてもかけがえの無い友だち。ちょっと切ないような気持ち。元気でね。またくるから。

恵那の青空

名古屋から新横浜、東横線で学芸大学APIA40へ直行。安物スーツケースのキャスターが具合悪くてガタゴトガタゴト、お土産に買った五平餅の味噌ダレどっかに落っことしちゃったチクショー。
やれやれやっとこさAPIA40に到着。ミチロウさんリハ。いつもはライブしに「行く」ところだけど、着いたら大マスターが「おかえりー」と声をかけてくれました。いつもの皆さんにホッとします。
一人旅はここでおしまい、duoのこばちゃんと合流。soloで二日間やった後で自分的には新鮮。

一番手ササキショーイチさん。アコギでロックンロール。思い切りがよくてノリが気持ちい。
私ら青木マリduo、最近は思うところあって何回かAPIA40ではsoloで出演していたのでこばちゃんは久しぶり。APIAの音のクリアーさは諸刃の剣の様。ウマイも不味いも全部自分に返ってくる。高揚しつつどこかで平常心を保ってベストを尽くすことに集中する事が必須。三日目だったので喉がヤバい感じもあったけど、ツアーの緊張感のままライブができたのでいいテンションで歌えたように思います。duoはやっぱりバンドだな。ミチロウさんのコアなファンのみなさんのノリがとってもよくて、楽しいライブでした。ありがとうございます!

APIA40の遠藤ミチロウさん。

さて、遠藤ミチロウさんといえば、わたしがまだ二十代で歌い始めの頃にライブのツアーに連れ出してくれた大恩人なのです。そのツアーの最後に「はいこれ」っていくばくかのギャラをわたしてくれて、え、いいんですか?と戸惑うわたしに「いいんだよ、プロなんだから。」と。「そうだったのかー!」と私はその時から、生活できるできないは別として、いつだってプロとしてステージに立つんだと自覚を持つようになった。何より一人前の「ミュージシャン」として扱ってくれたのが何よりうれしかった。わたしの人生のひとつの方向を決定づけた瞬間だったと今でも思ってる。
大病を乗り越えて歌い続けるミチロウさんとまた一緒にライブできるのが嬉しい。しかも連泊ツアー復帰の最終日。勝手に自分の中でご縁を感じてみたり。
ステージも力強かったな、激しかったり歌詞がエグかったりするのに、安心して委ねられるのは、やっぱり声の深さなんだろう。MCで、原発が爆発してそれまでの男社会が終わったと思ったっておっしゃってたのが印象的でした。
ライブ後に少しゆっくり話もできて、相変わらずのフラットな立ち位置が清々しく、永遠のJust Like A Boyのミチロウさんなのでした。今回もまた大変お世話になり、ありがとうございました!

深夜、殆ど三日ぶりに家に帰ると、犬と子どもたちが起きてきてお出迎えしてくれました。思ったより家の中も散らかって無くて大きな問題も無かった様子。ほんとにありがとうね。キミたちが元気で大きくなってくれてお母さんは何より嬉しいよ。

とまあ、ミュージシャンにとっては当たり前のライブツアーではありましたが、自分にとっては再び大きく一歩を踏み出せた実りの多い旅でありました。
私はやっぱり「歌う人」だ。歌は呼吸を共にするひとつの手段、呼吸は生命、生命にふれるやり取りをつかの間お届けする旅の歌うたいでありたいと強く心に誓ったのでした。

拾得、花音、APIA40の皆さん、ふちがみとふなとさん、本村ナオミさん、ササキショーイチさん、遠藤ミチロウさん、そして、会場に足を運んで下さったお客様方、心より御礼申し上げます。ほんとうにほんとうにありがとうございました!

また、会いましょう!

20180427京都拾得 青木マリsolo
~セットリスト~
Woman
dance
青の空
見えているのに
A Change Is Gonna Come
ジャスミン
エスペランサ
うた(withふちがみとふなと)

20180428春日井Cafe花音 青木マリsolo
~セットリスト~
ハレルヤ
わたしがうまれた音
Woman
青の空
dance
見えているのに
ビューティフルボーイ
A Change Is Gonna Come
泣かないで
エスペランサ
(アンコール)
うた

180429碑文谷APIA40 青木マリduo
~セットリスト~
ハレルヤ
ヤイサマ
dance
見えているのに
ビューティフルボーイ
A Change Is Gonna Come
泣かないで
エスペランサ



青木マリ近々のライブ

★5/11金 入谷なってるハウス
青木マリduo+大沼志朗Ds
★5/18金 阿佐ヶ谷イエローヴィジョン
青木マリduo+坂出雅海B(ヒカシュー)
★5/23水 池袋バレルハウス
青木マリsolo

おまちしてます!


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