青木マリduo+(ゲスト:柴田奈穂)2016.2.26

2017年10月13日金曜日

木馬亭にて大工哲弘さんの唄を聴きました

今回は自分のライブの話ではなく、聴きに行った唄のことを。
自分用のメモです。

10/7、浅草木馬亭「大工哲弘一人唄会2017」~八重山謡からジンタの世界まで~
を聴きに行きました。
オフノートの視聴会で聴いた大工さんの唄を、生で聴いてみたい、体験してみたいという思いをかなえる貴重な機会でした。



例によっていつものごとくギリギリまで家のことをしてバタバタと。
浅草寺を抜けて、木馬亭へ、少し遅れて到着。

演奏は始まったところでしたが、スーッとうたの世界へ。
二部構成で、第一部はもう一人の三線の方と共に、八重山民謡を。
後半は添田 唖蝉坊さんや高田渡さんの曲やジンタなどを、ヴァイオリンの向島ゆり子さんと。
勉強のつもりで聴きにいったので、気になったこと、感じたことをつづります。



まず最初に私の中に飛び込んできたのはリズム。
八重山には縁もゆかりもない私だけれども、なんだか自分の歌のようにぴったりはまって、とても気持ちいい。
手拍子の打ったところと反対の開いたところに拍がある感じ。ゆったりしたイチ、ニイ、イチ、ニイの中に上下左右、裏と表があって三つに分かれてる。
私の歌と同じ取り方だ。
というよりは、私の曲が民謡と同じなんだな。
もちろん曲調も楽器の弾き方も全く違うんだけど、芯が同じだと感じました。

そして余計な装飾の無い唄。長い時間とたくさんの人の体を通過してきたメロディーと言葉を受け継ぎ、個人として長く歌いこんできた体がただそのまま発するシンプルさと強さと深さ。
熱狂や扇情は無くてもずっと声に掴まれたまんまで時間が過ぎてく。
会場にはきっと島の出身の人がいたんだろう、自然と合いの手、掛け合いのパートの声が客席から重なってくる。
土地の唄、そこに住む人たちをつなぐもの、アイデンティティー。心の支え、拠り所。
そんなことを感じて、では、私は?
土地の民謡?ないよね。
きっと自分の中に自分のアイデンティティーの歌を、自分の歴史の中から見つけていくしかない。そして多分、そういう風に歌に向かってるんだなと思い至ったり。
その中で、自分のなかから出てくる体の動き、呼吸、それがリズムとなった時、とても民謡的であるのは当然なのかもしれない。なんて。

唄はとても真っすぐストレートな大工さんですが、MCというか、語りはとても面白く和やかでした。
おやじギャグをふんだんにちりばめて笑わせながらも話の内容は、人間にとって唄とは何か、また、沖縄という土地で人々がどのように生きて、お上に対して民衆が抵抗の唄を歌ったのか、など、とても含蓄のあるお話。
現在の政権に対してもチクリチクリと批判も交えながら、あくまでも、柔らかく楽しいムード。お人柄なんでしょうか。こんなところも勉強になりました。
有機的な演奏にピタッと寄り添う向島ゆり子さんのヴァイオリンも素晴らしかったです。

等々、心に浮かびながらもほんとにゆったり身を任せられる、二時間もあっという間のライブでした。



子どもたちにお留守番してもらっていたので、ご挨拶もせずさっさと帰路へ。
浅草の夜景に十六夜ごろのお月様がほんとにきれいに浮かんで絵のようでした。



なるべく時間を作っていいライブには足を運びたいものですね。
細胞が直に感じる経験の蓄積が、私の中の拠り所だもの。


青木マリ近々のライブは
10/13 APIA40 solo
10/26 江古田cona(江古田音楽祭)duo
10/29 高円寺フェスsolo
11/3 四谷三丁目喫茶茶会記「うたのとぐち」
    青木マリwithロケット・マツ
11/11 尾道おだ画廊、ジョンバーガー solo
11/17 阿佐谷イエローヴィジョン duo+下郡幸夫
11/25 池袋バレルハウス solo

よろしくです!








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