青木マリduo+(ゲスト:柴田奈穂)2016.2.26

2019年1月21日月曜日

歌は儚さをそっと抱きしめ(apia40フリー情報誌『あたふた』2月号掲載コラム全文)

長いことお世話になっている無料音楽情報誌『あたふた』2月号にコラムを載せていただきました。初寄稿なので自己紹介的内容です(^^)以下
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 小さい頃から歌やお絵描きが好きで、ひとりで遊んでいた私。心はそのまま身体は大きくなってしまった25歳の頃「私は歌を歌っていくんだ」と内なる声が聴こえてそれからずっと歌とともに生きているわ。自分の中を深く探したらみんなと同じものがあるのかもしれないとひとり風に向かって裸足で突っ立つ気分でギターかき鳴らして叫んでいた女の子はやがて二人の子どもの母親になった。泣き叫ぶのは赤ん坊の役目で眠ることも食べることも何一つ自分の思い通りにならなくて私は戸惑い苦しんで、ようやく受け入れることを覚えたわ。
 人前で歌わない日々を過ごしながら、寝っ転がって乳を飲ませ自分の食べたものが他の生き物の体になってゆくことを感じ、泣き止まない赤ん坊を胸の上に乗せ自分も泣きながら互いの胸の鼓動や血管の中の血の音が聞こえるまでにじっとしてようやく眠り、いつも撫でまわし話しかけ、ひとりで遊んでいた女の子の私はどこかに消え去ってしまったわ。ライブのやり方もそれまで歌ってた歌も忘れてしまった。それでも私は歌うたいでいたかったから、ほんのわずかの時間でも毎日必ず歌うことに決めた。大人の歌うたいとして自分をもう一度産みなおす。私の新しい歌の始まりだった。あれから15年、ずっと毎日歌っているわ。子育てで腰を痛めて始めた体操も毎日ささやかに続けていたら身体が柔らかくなって力がついた。今では歌う自分の身体との大切な対話の時間。
 おかげさまでAPIA40やいろんな所で歌わせてもらうようになり、一度赤ん坊にもどってしまった歌うたいの私もまた立ち上がり歩き始めたけれど、たくさんの人の手を借りないとできないから歌でお返ししたいの。歌は声、声は呼吸、呼吸は生命、生命は移ろい。全てが移ろいゆく、その全てが愛。声が愛そのものであるように、そう在るように歌っていく。
 一度だけ見たAPIAママのdance、その場でひらりとターンほんの一瞬だったけど、春風の中で風を抱くような確かさと軽やかさだった。移ろいの儚さを愛しく抱きしめたいと願って今日も歌う。




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2月8日(金)碑文谷(学芸大学)APIA40
『愛することができるものすべて~APIA40スリーマンLIVE!!!~』

出演/
マリ・コバ・マツ・バン
[青木マリ(vo,eg)+小林洋(ba)+ロケット・マツ(p)+伴慶充(dr)]

廣瀬康子(vo,g)

マリリン・ジェット(vo,g)

開場19:00 / 開演19:30 
前/当 ¥2000/¥2300+d

【住所】東京都目黒区碑文谷5-6-9 B1 
【TEL】03-3715-4010

【お問合わせ】 Email:music@apia-net.com

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